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FASCIA & TRIGGER POINT - 筋膜とトリガーポイント -

ファシア(fascia)とは?筋膜との違いと正しい意味、セルフケアについて

ファシアと筋膜とは違う? 正しい意味とは
ァシアと筋膜とは違う? 正しい意味とは

ファシア(fascia)という言葉を初めて耳にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本では筋膜と訳されることが多いため「ファシア=筋膜」とイメージいる人も多いです。

近年メディアに取り上げられる回数が多くなった言葉のひとつでもあり、ファシアの正確な意味と筋膜との違いを調べるケースも増えつつあります。

世田谷区 奥沢の鍼灸治療専門院THE DiMEでは、 ファシアの定義と概念を患者さまに理解してもらい、慢性痛や身体の不調の改善に努めております。

本ページでは、「ファシアとは何?」「ファシアをイメージしよう」「ファシア施術-ファシア リリース」3つのトピックについて解説いたします。

ファシアとは、簡単にいうと、身体の中のいろんな部分を包んでる「膜」のことで、筋肉や心臓、胃などを守ってくれます。日本では「筋膜」と呼ばれる事が多く、身体の中にたくさんあるとされます。

以下で、ファシアをQ&A形式で簡単に説明させていただきます。

・ファシアとは何?
人体を構成するすべてのものを包む膜を指す医学用語です。
・英語では「fascia」その意味とは?
日本ではよく「筋膜」と訳されるケースが多い英語の「fascia」。
英語の辞典を見ると「筋膜」「筋肉、骨、内臓、神経、血管などのさまざまな組織を包んで保護する、薄い結合組織」といったメディカル的な意味から「看板」「帯」まで、様々な意味を持っていることがわかります。
その語源は、ラテン語で「ベルト」「紐」を意味する「fascia」から由来するとされます。
・ファシアは筋膜なの?
主に「筋肉を包む膜」という意味合いで使われることが多い言葉なので、上述のように「ファシア=筋膜」と思われがちですが、筋肉以外の部位にも無数に存在するとされます
・他にはどこにあるの?
心臓を包んでいる膜、胃を包んでいる膜など色々な膜、すなわち、ファシアが存在しており、 体のあらゆるものを包む膜の総称がファシアなのです。

ファシアは、人体を構成するすべてのものを包み、全身の隙間という隙間に入り込み様々な器官と器官を繋ぐネットワークとして体内に張り巡らされていると知られております。

例えば、臓器ひとつひとつを包む膜もファシア(fascia)ですし、皮下に存在しボディースーツのように体を包む膜もファシア(fascia)であります。

よって本サイトでは、ファシア(fascia) は筋膜だけではないため、筋膜と表現せずに敢えて『膜』と表現します。
筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」と区別されます

※海外では筋膜は「myofascia」、膜は「membrane」と区別して使われる。

ファシアをイメージしてみましょう

膜をイメージするのが難しい方は、鏡でご自身の眼をご覧ください。

筋を包む膜とは構成が少し違いますが、イメージを理解するにはもってこいです。

ファシアを目で理解してみましょう

観察すると、瞼の裏から白眼の部分までを血管が混じった結膜が覆っているのを容易に確認できると思います。これがいわゆる「膜」です。

膜が眼球の動きに合わせて伸び縮みし、瞼側と白眼側の膜が互いに滑りあい、スムーズな動きを実現しています。

目の膜
目の膜

正常(理想的)な状態の膜は隣り合う膜と滑り合うことで互いの摩擦を軽減し、様々な動作を滑らかに行う手助けを担っており、この互いにスライドする摩擦軽減システムは、「滑走システム」とも言われ人体の3D運動に不可欠なとても重要な存在なのです。

膜の滑走には液体成分が不可欠

膜の重要性がわかったところで、大切なポイントをもうひとつおつたえします。

「膜の滑走には液体成分が不可欠である」と言う点です。

上記の眼の場合、涙がなければ眼球をスムーズに動かすことはできません。

筋の場合は、涙の代わりに「基質(主にヒアルロン酸)」が役目を担ており、関節の曲げ伸ばしや捻る動作を円滑に行う手助けをしてくれています。

痛みのセンサーが反応するメカニズム

また、涙が出にくくなると目は乾燥し「痛み」「異物感」などの独特な感覚を覚えると思います。同様に筋の膜もヒアルロン酸の水分低下が起こるとドロドロな状態になりスライド能力が低下し「可動域制限」や「張り」を感じます。

ひどくなると伸張性低下、組織同士の滑走性低下が起こり、隣接する膜と膜とが癒着します。この状態で癒着部位に牽引刺激が起こると侵害受容器(痛みのセンサー)が反応し、「痛み」を感じてしまうのです。

寝違いやギックリ腰などの動作痛は、これが原因だと思われます。

痛みのセンサーの反応による動作痛
痛みのセンサーの反応による動作痛

そのような場所をエコーで観察すると、画像上は「層状かつ帯状の高輝度部位、(白く厚く重積した像)」として観察されることが多く、異常な膜を示す所見の一つとしてとても注目されています。

特に、筋外膜には非常に多くの侵害受容器(痛みのセンサー)が存在していること、異常な膜に対するアプローチにより症状の改善が見込まれることなどが多数報告されており、今後の報告にますます期待がかかります。

ファシアが癒着する原因

では、ファイアの癒着はなぜ起こるのでしょうか?

 
  • 運動不足
  • 猫背や長時間の同じ姿勢
  • ケガ・炎症やそれによる治療・手術
  • 精神的ストレス

我々現代人は、長時間のデスクワークや長距離運転、同じ姿勢での携帯電話など電子機器の操作など、ファシアに負荷がかかりやすく、ファシアへのストレスが溜まりやすい環境にあります。

ファイアの癒着を引き起こしかねない長時間のデスクワーク
ファイアの癒着を引き起こしかねない長時間のデスクワーク

また、ストレスによって交感神経が継続的に緊張していると、心だけでなく、身体(筋肉)も緊張した状態となり、ファシアへのストレスにつながります。

これらが、ファシアの癒着の主な原因として挙げられております。

ファシアの癒着にトリガーポイントが反応する

このようなファシアの癒着に、痛みのセンサーと言われるトリガーポイントが反応します。

トリガーポイント とは、解りやすく言うと「痛みの原因部位そのもの」「痛覚過敏部位」のこと。

「引き金」という意味を持つ「トリガー(Trigger)」と「点」という意味を持つ「ポイント(Point)」の合成語です。

ファシアの癒着により、トリガーポイントが形成されやすい体内環境になり、様々な痛みを誘発すると言われています。

痛みのセンサー、トリガーポイントとは

家でファシアのセルフケア

ファシアの癒着を緩和させるために、家でも簡単にできるセルフケア方法をご紹介します。主に指圧マッサージを連想する方が多いですが、あまりおすすめできません。

当院では、「皮膚をずらしながら患部を伸ばしたり捻ったり」を数回行う方法を推奨します。

指圧マッサージをおすすめしない理由と、当院おすすめのセルフケアについては、以下の記事で詳しく紹介しております。

自宅でできるファシア(fascia)のセルフケアについて

ファシア施術に効果的なアプローチ方法 - ファシア リリース

ファシアリリース(Fascia Release)とは、筋膜をほぐすことで痛みや不調を改善する療法の総称です。

ファシアリリースは、肩こり、腰痛、頭痛、足のむくみ、関節の痛みなど、さまざまな症状に効果があるとされています。

そのアプローチ方法は以下の大きく4つが挙げられます。

トリガーポイント鍼によるファシア・リリース
トリガーポイント鍼によるファシア・リリース

当院では、2〜4までの処置を行い皆様の症状の緩和、改善に努めてまいります。

ファシアはがしとは?ファシリリリースとの違い

当院を訪れる患者さまや、オンラインでお問い合わせされる方に「ファシアはがし」に関する質問をよくいただいております。

「ファシアはがし」は、一般的にファシアリリースと同じ意味で使われるケースが多く、施術方法においても大きな違いはないとされます。

ただし「はがし」というワードから「強引的な施術」というネガティブなイメージを抱く人も多く、当院では「はがし」というよりは「リリース」という表現が適切と考えております。

※当院で主に施術し、患者さまの症状に携わるファシアは、筋肉のファシアである筋膜です。厳密に言うと、体内に無数にあるファシアの一つが筋膜ではありますが、便宜上、当サイトで案内しているファシアは概ねその筋膜のことを指します。

作成:小井手 智啓

はじめまして。院長の小井手 智啓と申します。
カラダの痛みや不調の原因となっている「筋膜」を整え、本来あるべき状態へ導くのが当院の施術です。
安心して治療が受けられる落ち着いた空間で、「原因」を知ることからはじめましょう。

※この情報は鍼灸師として16年間第一線で活躍した当院の院長小井手智啓が記述しており、日本で代替医療に分類されている国家資格を持っております。また、当院の院長を務める小井手 智啓は、筋膜ストレッチ(朝日新聞 2016年出版)の監修を歴任するほど、肩こり、腰痛、頭痛をはじめ、多くの現代人が悩む痛みやコリの改善について、その経験と知識を高く評価されております。
※当院では、Fasciaについて正しい知識をお伝えするために日々努めております。痛みなどのお悩みの方は是非当院までお越しください。(Fasciaの情報や療法には、個人差がありますので、予め十分な時間を確保の上、説明を行います。)