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反り腰・慢性腰痛の根本原因は「吸いすぎ」?

2025.10.28

こんにちは。

世田谷区奥沢・田園調布・自由が丘エリアのパーソナルトレーニングルーム併設鍼灸マッサージ治療院THE DiMEです。

今回は、慢性腰痛なら悩む方必見の内容です。

是非、最後まで読んでください。


反り腰・慢性腰痛の人に共通する呼吸のクセとは

毎日無意識に行っている「呼吸」。

私たちは1日に約2万回以上も呼吸を繰り返していますが、その「呼吸の質」が慢性腰痛に深く関わっていることをご存知でしょうか。

近年、反り腰(腰椎前弯過多)や慢性的な腰の痛みを訴える方の多くに、「吸う息が優位になりすぎる」という共通の呼吸パターンが見られることがわかってきました。

この「過剰な吸気」こそが、姿勢の崩れと腰部の持続的な緊張を引き起こす、隠れた原因かもしれません。


過剰な吸気が姿勢を崩すメカニズム:「リブフレア」とは?

一般的に「呼吸過多」というと「息をたくさん吐くこと」をイメージされがちですが、実際には吸う息が多すぎる状態を指します。

吸気が優位になると、常に胸郭が膨らんだ状態になり、肋骨が外側に開いたまま固定される(リブフレア)現象が起こります。

この姿勢は、胸の前側ばかりが広がり、肺の前面にしか空気が入りにくくなるのが特徴です。

常に肋骨が開いた状態では、体幹を安定させるためのインナーマッスル(腹筋群)が働きにくくなり、結果として腰の反りが強まり、反り腰を助長してしまいます。


腰痛改善の鍵:背中と腹筋を連動させる「後ろへの呼吸」

本来の理想的な呼吸は、肺の前側だけでなく、背中側(肺の後方)にも空気が均等に入る必要があります。

しかし、リブフレアの状態が続くと、背中側への膨らみが起こらず、本来は緩やかに丸みがあるべき背骨(胸椎のカーブ)が失われやすくなります。

「背中を膨らませるように」息を吸い、肋骨を後方に広げる呼吸ができるようになると、次のようなメリットが生まれます。

1. 背骨のカーブが整う
胸椎の生理的なカーブ(胸椎後弯)が回復しやすくなります。

2. 腹部の安定性が高まる
腹横筋や内腹斜筋といったコルセットのようなインナーマッスルに自然と力が入りやすくなります。

3. 体幹の前後バランスが改善
腹直筋が肋骨を下げる呼気サポートとして効果的に活動し、腹圧(体幹の安定性)が高まります。

結果として、骨盤と腰椎の過剰な反りが減少し、慢性的な腰部の筋緊張が緩和されやすくなるのです。「背中を膨らませる呼吸」は、反り腰・慢性腰痛の根本改善に向けた重要な第一歩です。


呼吸の乱れが引き起こす筋肉の「過緊張の連鎖」

反り腰の姿勢では、背中の大きな筋肉である脊柱起立筋群や広背筋が、常に姿勢を維持しようと働き続け、持続的に緊張しやすくなります。

呼吸過多が続き、胸郭が固定されると、これらのアウターマッスルは代償的に過剰に働き続け、「力が抜けない」「休まらない」状態に陥ります。

特に広背筋は強力な筋肉ですが、過使用が続くと疲労しやがて機能低下を起こします。

すると、さらに起立筋が過剰に働き、腰部へのストレスが蓄積していきます。



【悪循環のメカニズム】

呼吸の乱れ(リブフレア)→ 胸郭の固定 → 姿勢維持筋の過緊張 → 慢性の腰痛

まず整えるべきは「吐く呼吸」と「背中への吸気」

腰痛改善のためには、まず「しっかり吐き切ること」、そして「背中へ空気を入れること」の2つが重要です。

• 吐く呼吸: 横隔膜が上昇し、開いた肋骨が自然と閉じ、胸郭の可動性が回復します。

• 背中への吸気: 閉じかけた胸郭を背中側へ広げることで、胸椎がしなやかに動き、腹腔内圧(IAP:体幹の安定性を保つ圧力)が高まります。

この適切な呼吸パターンを再教育することが、反り腰・慢性腰痛を根本から改善するために不可欠です。


自宅でできる呼吸リセットエクササイズ

以下は、背中に呼吸を入れる感覚と腹圧を高める感覚をつかみやすいエクササイズです。

《チャイルドポーズ呼吸エクササイズ》

1. 四つ這いの姿勢から、お尻をかかとに近づけ、チャイルドポーズをとります。

2. 肘を軽く地面に押し付け、背中を天井に向かって丸く持ち上げるように意識を集中させます。

3. 背中を丸く保ったまま、鼻から3秒かけてゆっくりと吸い、背中側の肋骨全体を広げるイメージで空気を入れます。

4. 吸った姿勢をキープしながら、口から5秒かけて静かに長く吐き切ります。

5. これを5回ほど繰り返します。

【ポイント】
呼吸の動作中に、背中の膨らみと、お腹全体に圧が入る(固くなる)感覚を感じてください。呼吸のリズムは、無理のない範囲で調整しましょう。



呼吸を整えることが、慢性腰痛改善の「最終手段」

呼吸は、あなたの姿勢を作り、体幹を安定させるための「最初の運動」です。吸う呼吸が前方に偏っていると、腰への負担は増し続けます。

「反ると痛い」「動かなくても常に腰が重だるい」

そんな繰り返す症状は、単なるマッサージやストレッチでは改善しきれない、呼吸のバランスの乱れが影響している可能性が高いです。


当院では、この「呼吸の再教育」を中心に、鍼・マッサージ・運動療法を組み合わせて姿勢と腰痛の根本改善を目指しています。

呼吸機能から見直すことで、あなたの長引く腰痛にも、新たな変化が生まれるかもしれません。


ぜひ一度、ご自身の呼吸のクセを見直してみませんか。

お気軽にご相談ください。

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