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「元気なつもり」は一番危険?自律神経のエネルギー切れを示す【隠れたサイン】とは

2026.08.19

こんにちは。

世田谷区奥沢・大田区田園調布・目黒区自由が丘のはり・きゅう・マッサージ治療院THE DiME(ザ ダイム)です。

今回は、定期的なケアでお越しの患者様の症例です。

いつもどおり、今日の調子や前回からの変化などを伺いました。

患者様は、「おかげさまで、今日もまずまず良い調子ですよ!」

笑顔でそうお話ししてくださいました。

しかし、高精度自律神経測定器(CondiView)を用いて自律神経を測定してみると、、、。



ここ最近、右肩上がりに回復していた自律神経の数値が、一転して大きく底打ち。交感神経・副交感神経ともに活動量が落ち込み、まさに「バッテリー残量わずか」のエネルギー切れ状態に陥っていました。

ご本人は「元気なつもり」なのに、なぜ数値はガタガタだったのでしょうか?




自律神経の「パワー不足」が引き起こすSOSサイン

自律神経の評価では、交感・副交感神経のバランスだけでなく、両者それぞれの「パワー(活動エネルギー)」が非常に重要です。

車に例えるなら、バランスが「ハンドルの向き」だとすれば、パワーは「エンジンの排気量」。いくらハンドル操作が上手でも、エンジン自体が小さく出力が出なければ、急な坂道や長距離走行(日常のストレス)には耐えられません。

自律神経のパワーが低下すると、身体には次のような「地味だけれど辛い症状」が現れ始めます。


パワー不足の例を以下にあげてみました。

1. 「休んでも抜けない」慢性的な疲労感
症状: 8時間寝ても朝起きた時から身体が重い、週末にじっくり休んだのに月曜からだるい。

理由: 夜間の回復プロセスを動かす「副交感神経のパワー」自体が足りず、睡眠の質が著しく低下するためです。


2. 「内臓のストライキ」による不調
症状: 胃もたれ、食欲不振、慢性的な便秘・下痢、突然の立ちくらみ。

理由: 胃腸の動息や血管のコントローラーである自律神経の出力が落ち、内臓を正しく動かせなくなるためです。


3. 「環境の変化」に対する過敏・弱さ
症状:寒暖差や気圧の変化(雨の前など)で頭痛やめまいがする、ちょっとしたことで苛立ちや強い不安を感じる。

理由: ストレスという衝撃を吸収するサスペンション(耐久力)が機能しなくなるためです。


4. 感覚の鈍麻(無自覚)
症状: 疲れを感じにくくなり「自分はまだまだ平気」と錯覚する(そして突然ダウンする)。

理由: 長引く疲労により、脳の疲れを感じるアラーム機能(危険察知センサー)自体が麻痺してしまうためです。

今回の患者様も、まさにこの状態でした。


なぜ今回は当院の売りのひとつである「トリガーポイント」鍼療法では無かったのか。

当院の鍼治療スタイルをご存知の方なら、「痛みの原因である筋膜のしこり(トリガーポイント)に鍼を打つのだろう」と思われるかもしれません。

ですが、今回はあえてトリガーポイントへの鍼をお休みしました。

それには理由があります。

自律神経のパワーが底打ちしている(=ブレーカーが落ちかかっている)状態でトリガーポイントへ針をつかった刺激を入れても、身体が刺激を消化しきれず、かえって負担になってしまう可能性があるからです。

また、トリガーポイントは知覚過敏なので、針刺激により筋が弾む反応(ローカルトゥイッチといいます)がでるのですが、自律神経パワーが落ちている時は過敏状態なのに反応が鈍く効果があまり期待できないこともあるのです。

まずは基礎となる「自律神経」をしっかり起動させ、パワーを底上げすることが最優先だと今回は判断。


脳の司令塔を覚醒させる「15分間のアプローチ」

そこで選択したのが、脳の中枢神経系へダイレクトにアプローチする「醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)」を応用したツボの組み合わせです。

難しそうな名前ですが、「顔や手足の神経を通じて、休眠状態の脳の司令塔を覚醒・リセットする手法」です。


人中(じんちゅう)・印堂(いんどう)
顔の神経から脳幹・視床下部へ直接シグナルを送り、麻痺した自律神経のスイッチを「ON」に入れます。

内関(ないかん)・足三里(あしさんり)
リラックスと回復の主力である「迷走神経」を強力に刺激し、副交感神経の働きを一気に引き上げます。

三陰交(さんいんこう)・合谷(ごうこく)
全身の血流を整え、脳の血行不良(脳疲労)を解消します。


これらのツボへ鍼を打ち、じっくりと置鍼すること15分——。


再計測の結果:パワーもバランスも基準値へ急回復!

15分後に再び測定器で計測したところ、低下していた自律神経のパワー、そして交感・副交感のバランスの双方が、見事にほとんど基準値へと回復しました。



文字通り「本当の意味での良い状態」を取り戻した瞬間です。

欲を言えばもう少し数値を上げたいところ。
脈拍の変動も出てほしいですし、
特に疲労度が少し高め(理想値が50~60なのに対し67)なので回復を促す、副交感神経をもっと上げて疲労度を下げるように体が反応してほしいのです。
呼吸エクササイズや食事管理を頑張っていただければ、次回までにはもっとよくなっているはずです。


患者様も「なんだか目元や頭がスッキリ軽くなった」と笑顔を見せてくださいました。


「勘」ではなく「客観的データ」で身体を守る

体感の調子は、脳の慣れや「頑張らなきゃ」という張り詰めによって簡単に誤解してしまいます。ですが、自律神経の数値は誤魔化せません。

当院では、毎回同じルーティンの施術を繰り返すのではなく、その日の身体の状態と測定データを客観的に分析した上で、「今、あなたの身体が一番求めているアプローチ」をご提供しています。


「最近なんとなく疲れが取れない」

「自分のリアルな状態を知りたい」

という方は、ぜひ一度ご相談ください。


※鍼灸マッサージ治療院THE DiMEの小井手は、醒脳開竅法の中級クラスまでのカリキュラムを終えております。


《この記事の監修者》

小井手 智啓(こいで ともひろ)

はり・きゅう・マッサージ治療院 THE DiME 院長

学生時代より鍼灸接骨院や整形外科にてスポーツ外傷の鑑別・施術を学ぶ。国家資格取得後は病院勤務を経て、トリガーポイント専門の鍼灸院にて5年間臨床経験を積む。2013年世田谷区奥沢に「はり・きゅう・マッサージ治療院 THE DiME」を開業。

2016年には朝日新聞出版より『さする&伸ばすで痛みを解消 筋膜ストレッチ』を監修。当時主流だったフォームローラーなどで患部に強い圧をかける手法とは一線を画し、優しく触れる・伸ばす(ズラす)アプローチによる独自の筋膜リリースを発信。

2023年には院内にトレーニングルームを併設し、運動療法を本格的に導入。一般の患者様からトップアスリートまで幅広く動きの改善をサポートしている。院内での施術の他、後進の育成や講師活動にも精力的に取り組む。

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