シンスプリントのリハビリ① 「地面をキャッチする」ことから始める
2026.08.26
こんにちは、
世田谷区奥沢・大田区田園調布・目黒区自由が丘のはり・きゅう・マッサージ治療院 THE DiMEです。
今回は、前回のシンスプリントのリハビリについてのお話です。
(長いので2章に分けました)
《第一章》
シンスプリントの痛みが落ち着いてきた。
「そろそろ運動を再開してもいいかな」
そう思って走り始めたものの、また脛が気になってくる。
そんな経験をしたことありませんか?
シンスプリントからの復帰では、痛みが落ち着いたかどうかだけでなく、走るために必要な負荷を身体が受け止められる状態になっているかも考えていく必要があります。
前回の記事では、シンスプリントを考えるうえで、痛みのある脛だけを見るのではなく、足部の接地や下肢、体幹など、身体全体の動きを見ることについて紹介しました。
今回はその続編。
実際のリハビリでは、どのようなことを考えているのか。
その中で、THE DiMEが特に大切にしているのが、
「地面のキャッチ」
という考え方です。
「床反力を使う」前に、考えておきたいこと
ランニングでは、足が地面に接地すると、地面から身体へ力が返ってきます。
これが床反力です。
この力を利用することで、身体を前へ進めたり、次の一歩につなげたりできます。
スポーツの現場でも、
「床反力をうまく使う」
という表現を耳にすることがあります。
もちろん、これは重要な考え方。
ただ、シンスプリントからの復帰を考えたときには、もう一つ確認しておきたいことがあります。
「その力を、身体全体で受け止められているか?」
ということ。
床反力を利用しようとするあまり、接地した瞬間に足部や下腿へ負荷が集中してしまうと、脛周辺へのストレスが大きくなる可能性があります。
もちろん、シンスプリントにはさまざまな要因があり、すべてを接地だけで説明できるわけではありません。
だからこそ、
「どれだけ強く地面を蹴るか」だけではなく、「地面からの力をどう受け止めているか」
という視点も持っておきたいところです。
地面を「キャッチする」とは?
ここでいうキャッチは、単純に「きれいに着地する」という意味ではなく、
接地した瞬間に身体へ加わる荷重を、
足部 → 足関節 → 膝 → 股関節 → 骨盤・体幹
という身体全体のつながりの中で受け止めていく。
そんなイメージです。
例えば、
足首が大きく崩れていないか
膝だけで荷重を受けていないか
股関節が使えているか
骨盤や体幹はどのように動いているか
上半身と下半身のタイミングが合っているか
こうした部分を確認していきます。
「どの筋肉を鍛えるか」だけではなく、
「身体全体でどう荷重を受けているのか」
を見る。
これが今回のリハビリの大きなポイントです。
まずは「動きながら受ける」
① ダッキング
最初に行うのがダッキング。
低いバーを潜ったり、越えたりするような動作です。
身体の高さを変えながら、前後・左右へ重心を移動させます。
単純にしゃがむのではなく、
「身体の位置を変えながら、地面からの荷重を受け入れる」
ことを意識します。
足部だけでなく、膝・股関節・骨盤・体幹まで連動させながら、身体の位置をコントロールしていきます。
② ドロップスクワット
次はドロップスクワット。
イメージは、落とされたボールを素早くしゃがんで取りに行く動作です。
立った状態から身体を素早く落とし、その荷重をキャッチ。
深くしゃがむことが目的ではなく、
「落ちてきた身体を、どう受け止めるか」
を意識します。
ダッキングよりも速い重心移動を経験し、動的なキャッチへつなげていきます。
外力を少しずつ増やす
③ 台からのジャンプ&キャッチ
次は、台の上からジャンプして降り、着地をキャッチします。
ここでは、落下によって生まれる外力を利用します。
とはいえ、高い台から飛び降りることが目的ではありません。
まずは低い台から。
接地した瞬間に、
身体全体で荷重を受け止められるか。
ここを確認します。
足音が大きくなっていないか。
足首だけで受けていないか。
膝や股関節まで連動しているか。
上半身はどうなっているか。
こうした部分を見ながら、接地の質を高めていきます。
④ サポートポーゴー
台からのジャンプ&キャッチの次に行うのが、サポートポーゴーです。
跳び箱を飛ぶときのように台に手をつき、脚への荷重を減らした状態で、真上へのジャンプを繰り返します。
上半身は少し丸めた状態。
その姿勢を保ちながら、正確に真上方向へジャンプすることを意識します。
ここで大切なのは、単純に「楽にジャンプする」ことではありません。
荷重を軽減することで、
丁寧なキャッチ → 素早いジャンプ → キャッチ → ジャンプ
という動作を繰り返しやすくします。
特に意識したいのが、足関節のスタビリティ(安定性)。
接地したときに足首が大きく崩れないよう、足元を安定させながらキャッチします。
そしてもう一つ。
ジャンプするときに、脚が後ろ方向へ流れないこと。
前へ蹴り出したり、脚を後ろへ飛ばしたりするのではなく、
「足元から真上へ身体を持ち上げる」
ようなイメージです。
⑤ バーティカルポーゴージャンプ
サポートポーゴーが安定してきたら、バーティカルポーゴージャンプへ。
最初は大きく、ゆっくり。
高く跳ぶことより、
着地でキャッチする → 安定する → 次のジャンプへ
という流れを大切にします。
ここでは、接地した瞬間に身体が崩れず、次の動作へつなげられることがポイントになります。
⑥ 小さく、速いポーゴーへ
大きくゆっくりしたポーゴーが安定してきたら、徐々に動作を小さくし、テンポを上げていきます。
ランニングでは接地が連続するため、
大きくゆっくりキャッチする能力
から、
小さく速い接地でもキャッチできる能力
へ進めていく必要があります。
ただし、速くすることが目的ではありません。
スピードを上げたときにも、足関節の安定性や接地の質が保たれているか。
そこを確認しながら進めます。
⑦ フォワードジャンプ
次は、垂直方向だけではなく、前方への移動を加えます。
フォワードジャンプでは、特に踏切と着地を丁寧に。
踏切の際に、つま先で地面を「引っ掻く」ような動きにならないようにします。
イメージは、
地面を斜め方向へ押す。
あるいは、
脚を置いてくるような感覚。
つま先で強く蹴るというより、地面へ斜め方向に力を伝えながら身体を前へ運んでいきます。
そして着地では、前方へ移動した身体をキャッチ。
踏切 → 前方へ移動 → キャッチ
この流れを丁寧につくっていきます。
第1章のまとめ
シンスプリントのリハビリでは、痛みが落ち着いたらすぐに走るのではなく、
「身体が地面からの力を受け止められるか」
というところから考えていきます。
ダッキングから始まり、
ドロップスクワット。
台からのジャンプ&キャッチ。
サポートポーゴー。
バーティカルポーゴー。
そしてフォワードジャンプ。
少しずつ外力やスピード、移動方向を変えながら、身体に「キャッチ」の経験を積ませていきます。
そして、その先にあるのが、
キャッチした力を、実際の動作へつなげること。
次回は、ジョッキーイングやRDL、ザーチャースクワット、呼吸エクササイズ、ウォールドリルなどを取り上げながら、「受け止めた力を、どうやって走る動作へつなげていくのか」について紹介します。
世田谷区奥沢・大田区田園調布・目黒区自由が丘のはり・きゅう・マッサージ治療院 THE DiMEです。
今回は、前回のシンスプリントのリハビリについてのお話です。
(長いので2章に分けました)
《第一章》
シンスプリントの痛みが落ち着いてきた。
「そろそろ運動を再開してもいいかな」
そう思って走り始めたものの、また脛が気になってくる。
そんな経験をしたことありませんか?
シンスプリントからの復帰では、痛みが落ち着いたかどうかだけでなく、走るために必要な負荷を身体が受け止められる状態になっているかも考えていく必要があります。
前回の記事では、シンスプリントを考えるうえで、痛みのある脛だけを見るのではなく、足部の接地や下肢、体幹など、身体全体の動きを見ることについて紹介しました。
今回はその続編。
実際のリハビリでは、どのようなことを考えているのか。
その中で、THE DiMEが特に大切にしているのが、
「地面のキャッチ」
という考え方です。
「床反力を使う」前に、考えておきたいこと
ランニングでは、足が地面に接地すると、地面から身体へ力が返ってきます。
これが床反力です。
この力を利用することで、身体を前へ進めたり、次の一歩につなげたりできます。
スポーツの現場でも、
「床反力をうまく使う」
という表現を耳にすることがあります。
もちろん、これは重要な考え方。
ただ、シンスプリントからの復帰を考えたときには、もう一つ確認しておきたいことがあります。
「その力を、身体全体で受け止められているか?」
ということ。
床反力を利用しようとするあまり、接地した瞬間に足部や下腿へ負荷が集中してしまうと、脛周辺へのストレスが大きくなる可能性があります。
もちろん、シンスプリントにはさまざまな要因があり、すべてを接地だけで説明できるわけではありません。
だからこそ、
「どれだけ強く地面を蹴るか」だけではなく、「地面からの力をどう受け止めているか」
という視点も持っておきたいところです。
地面を「キャッチする」とは?
ここでいうキャッチは、単純に「きれいに着地する」という意味ではなく、
接地した瞬間に身体へ加わる荷重を、
足部 → 足関節 → 膝 → 股関節 → 骨盤・体幹
という身体全体のつながりの中で受け止めていく。
そんなイメージです。
例えば、
足首が大きく崩れていないか
膝だけで荷重を受けていないか
股関節が使えているか
骨盤や体幹はどのように動いているか
上半身と下半身のタイミングが合っているか
こうした部分を確認していきます。
「どの筋肉を鍛えるか」だけではなく、
「身体全体でどう荷重を受けているのか」
を見る。
これが今回のリハビリの大きなポイントです。
まずは「動きながら受ける」
① ダッキング
最初に行うのがダッキング。
低いバーを潜ったり、越えたりするような動作です。
身体の高さを変えながら、前後・左右へ重心を移動させます。
単純にしゃがむのではなく、
「身体の位置を変えながら、地面からの荷重を受け入れる」
ことを意識します。
足部だけでなく、膝・股関節・骨盤・体幹まで連動させながら、身体の位置をコントロールしていきます。
② ドロップスクワット
次はドロップスクワット。
イメージは、落とされたボールを素早くしゃがんで取りに行く動作です。
立った状態から身体を素早く落とし、その荷重をキャッチ。
深くしゃがむことが目的ではなく、
「落ちてきた身体を、どう受け止めるか」
を意識します。
ダッキングよりも速い重心移動を経験し、動的なキャッチへつなげていきます。
外力を少しずつ増やす
③ 台からのジャンプ&キャッチ
次は、台の上からジャンプして降り、着地をキャッチします。
ここでは、落下によって生まれる外力を利用します。
とはいえ、高い台から飛び降りることが目的ではありません。
まずは低い台から。
接地した瞬間に、
身体全体で荷重を受け止められるか。
ここを確認します。
足音が大きくなっていないか。
足首だけで受けていないか。
膝や股関節まで連動しているか。
上半身はどうなっているか。
こうした部分を見ながら、接地の質を高めていきます。
④ サポートポーゴー
台からのジャンプ&キャッチの次に行うのが、サポートポーゴーです。
跳び箱を飛ぶときのように台に手をつき、脚への荷重を減らした状態で、真上へのジャンプを繰り返します。
上半身は少し丸めた状態。
その姿勢を保ちながら、正確に真上方向へジャンプすることを意識します。
ここで大切なのは、単純に「楽にジャンプする」ことではありません。
荷重を軽減することで、
丁寧なキャッチ → 素早いジャンプ → キャッチ → ジャンプ
という動作を繰り返しやすくします。
特に意識したいのが、足関節のスタビリティ(安定性)。
接地したときに足首が大きく崩れないよう、足元を安定させながらキャッチします。
そしてもう一つ。
ジャンプするときに、脚が後ろ方向へ流れないこと。
前へ蹴り出したり、脚を後ろへ飛ばしたりするのではなく、
「足元から真上へ身体を持ち上げる」
ようなイメージです。
⑤ バーティカルポーゴージャンプ
サポートポーゴーが安定してきたら、バーティカルポーゴージャンプへ。
最初は大きく、ゆっくり。
高く跳ぶことより、
着地でキャッチする → 安定する → 次のジャンプへ
という流れを大切にします。
ここでは、接地した瞬間に身体が崩れず、次の動作へつなげられることがポイントになります。
⑥ 小さく、速いポーゴーへ
大きくゆっくりしたポーゴーが安定してきたら、徐々に動作を小さくし、テンポを上げていきます。
ランニングでは接地が連続するため、
大きくゆっくりキャッチする能力
から、
小さく速い接地でもキャッチできる能力
へ進めていく必要があります。
ただし、速くすることが目的ではありません。
スピードを上げたときにも、足関節の安定性や接地の質が保たれているか。
そこを確認しながら進めます。
⑦ フォワードジャンプ
次は、垂直方向だけではなく、前方への移動を加えます。
フォワードジャンプでは、特に踏切と着地を丁寧に。
踏切の際に、つま先で地面を「引っ掻く」ような動きにならないようにします。
イメージは、
地面を斜め方向へ押す。
あるいは、
脚を置いてくるような感覚。
つま先で強く蹴るというより、地面へ斜め方向に力を伝えながら身体を前へ運んでいきます。
そして着地では、前方へ移動した身体をキャッチ。
踏切 → 前方へ移動 → キャッチ
この流れを丁寧につくっていきます。
第1章のまとめ
シンスプリントのリハビリでは、痛みが落ち着いたらすぐに走るのではなく、
「身体が地面からの力を受け止められるか」
というところから考えていきます。
ダッキングから始まり、
ドロップスクワット。
台からのジャンプ&キャッチ。
サポートポーゴー。
バーティカルポーゴー。
そしてフォワードジャンプ。
少しずつ外力やスピード、移動方向を変えながら、身体に「キャッチ」の経験を積ませていきます。
そして、その先にあるのが、
キャッチした力を、実際の動作へつなげること。
次回は、ジョッキーイングやRDL、ザーチャースクワット、呼吸エクササイズ、ウォールドリルなどを取り上げながら、「受け止めた力を、どうやって走る動作へつなげていくのか」について紹介します。